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●御礼~新聞広告~●憲法24条と14条●

みなさま、こんにちは。

毎日新聞と産経新聞の6月15日付朝刊の意見広告ごらんいただけましたでしょうか?
新聞への意見広告掲載にご協力いただいた方、ありがとうございました。事務局一同感謝申し上げます。

手前味噌になりますが、とてもすてきなデザインです。アイディアをフルに回転させて、スタッフが作ってくれました。産経新聞をお読みの方々にも是非ご意見をお寄せいただきたく思っております。
これからも、いろんなアイディアを出し合って、憲法を売り出していきたいと思っています。今後ともよろしくお願い致します。アイディアもお待ちしております。

さて、今回の話題は、憲法の条項で言えば、24条と14条でしょうか。
「著名な公務員」のした発言で「憲法、男女共同参画社会基本法、その他の法令や国際人権B規約、女性差別撤廃条約等の基本理念と相容れない」と裁判所から認定された発言があります。

・・・・石原都知事のババア発言です。

ババア発言って何でしょう?
石原都知事の「女性が生殖能力を失っても生きているのは無駄で罪」との発言。

皆様は、この発言を耳にされた際どう思われましたか?
またか、と思われました?私は、一瞬くらくらとめまいがするようでした。
原告たちは裁判をするまでに、公開質問状を出し、日弁連への人権救済申し立てを行いました。しかし、石原氏は一切これに対する回答を拒みました。

・・・こんなつまらないことで裁判にするなんて、との、声も耳にします。しかし、先回ご紹介したように、チラシを撒いたり、卒業式の会場で「君が代斉唱の時にはご着席いただければ幸いです」と言っただけで「刑事起訴」されてしまうご時世なのです。一つ一つ声を上げていかなければ、そんな思いで私は代理人になりました。お読みいただければ幸いです。

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 本年2月24日、石原慎太郎東京都知事に対する「ばばあ発言」訴訟の判決が言渡された。「ばばあ発言」とは、石原氏が「文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものは『ババァ』」「女性が生殖能力を失っても生きているのは無駄で罪」などと述べた発言である。訴訟では東京都在勤在住の女性らが原告となり新聞への謝罪広告と損害賠償を求めた。

判決では、性の有様如何に関わらず平等に生きる権利、生殖について自己の選択の下に生きる権利、高齢者が敬愛されて生き得る権利が保護に値するとした上で、発言を「このような女性の存在価値を生殖能力の面のみに着目して評価する見解が、個人の尊重、法の下の平等について規定する憲法、男女共同参画社会基本法、その他の法令や国際人権B規約、女性差別撤廃条約その他の国際社会における取り組みの基本理念と相容れないことはいうまでもない。」「不用意な発言」「不適切な発言」とした。しかし、「原告を特定した発言ではない」「不愉快な思い…を超えて…深刻な精神的な苦痛を与えるまでの内容、性質のものとは認めがたい」と請求は棄却した。
現在、多くの原告が請求棄却であったことに対し控訴しており現在東京高裁に係属中であるが、他方で、差別発言が相次ぐ現在において、発言が憲法に反するなどの判断がなされた本判決は、その点では大きな意義も有していることを確認しておきたい。

 控訴趣意書を作るに当たり、改めて、原告の方々の陳述書を読み直した。原告たちの声は、現在の日本社会の問題点を明確に浮き彫りにしている。強者が弱者を一方的に貶める発言。社会が簡単にそれになびく風潮を利用し、さらにそれを繰り返す。つぶやきにすぎない差別がさらなる差別発言を呼び、知らぬ間に具体的差別が目に見える制度として提案される。そしてそのときには既に世論の届かないところで話が進んでいる。

時に、このばばあ発言の訴訟については、「何でそんなことで裁判までするの。」との批判を浴びる。・・・しかし、この訴訟は、子供を産みたくても産めない女性たちの苦しみの声であるのはもちろん、差別の対象として苦労を重ね、女性がやっと手に入れ始めた社会での活躍の場を再び閉ざされる懸念におそわれている市民全体の声の現れなのである。

石原氏は絶大な影響力で社会的マイノリティに歯をむけ、思想を施策に反映させており、東京都では、つぶやきの差別が現に制度となって表れている。東京都の女性政策の要だった東京都女性財団を解散に追い込まれ、東京都ウィメンズプラザが直営にされて政策を縮小・変更され、「男女平等推進基金」が廃止され、そして、現在東京都では「ジェンダーフリー」という単語の使用が廃止されている。
政治家による差別発言は、マスコミも世論もたたかない中、これ見よがしに続いている。ばばあ発言(2001年10月)の後続出した発言には様々あるが、代表的なものとしては、女子大生暴行事件の際の太田誠一議員の「集団レイプをする人は、まだ元気がいい。正常に近いんじゃないか」との発言や、また、森喜朗議員の「子供を一人も作らない女性が好き勝手と言っちゃなんだけど自由を謳歌して、楽しんで、年取って、税金で面倒見なさいというのは本当におかしい」等があげられる。  

マスコミにこのような差別発言が流れないことも、恐ろしいかな現実である。訴訟をしなければ今回の「ばばあ発言」はほぼ全くメディアに載らなかったのではないか。今平然と政治家によりなされている発言には5年前だったら首が飛ぶものも多いのではないか?弱者の声が社会に届くよう、異議を唱えるべきところではきっちりと異議を唱えていきたい。

各弁論では原告たちの想いが語られ、毎回涙なくしてはいられなかった。
「私の娘は摂食障害で長い間生理がありません。体重が25kgにまで落ち、生命の危機にまで陥ったこともあります。…今は先生の助言の中で、石垣島で生活しています。そんな娘に私は『生理が来た?』などと聞きもしません。生きているだけでいい。明るい声が電話の向こうから聞こえてくるだけでいい。『生きててよかったネ』生殖能力なんて、あるかないか問題ではありません。『生きててよかったネ』。何度も心の底からわいてくる言葉を飲み込んで、娘と話しをします。あなたはそんな娘までも傷つける発言をしたのですよ。あなたの行ったことがどんなに多くの人を傷つけているのかを知って下さい。そして謝って下さい。発言を撤回して下さい。」

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